後ろ髪
先日 取材を
受けたフリーペーパー
〝TEN・YA〟
今回は店の取材ではなく
【あの人の人生に欠かせない道具】
として普段 我々が
身に付けているエプロンの取材でした
何が書いてあるかは内緒 :)
現在 HARBOURS
&STOMPの店頭にて配布中☆
ところで私
エプロンには
様々な思い出があります
その中で
最も印象深い話を1つ☆
かつて天神地区の
【上人橋】というエリアに
腕の良さが評判の
老靴職人が存在しました
私も同業者として彼を大変
リスペクトしていましたが
ある日 その老職人は
体調を崩し入院する事に・・・
そして退院後 回復した
彼が久々に自分の店に行くと
老職人の店の隣には何と同業者の
チェーン店が開業していたのです
想像するにも彼の心的ダメージは
測り知れないものだった事でしょう
そして老職人は直後に引退を決意
その噂を聞き
一人の職人として不本意に感じた私は
彼の店へ直接
引退撤回の説得交渉に向いました
若手で青二な経営者ながらも
当時 必死に考えた対抗秘策を
その老職人に伝えると同時に
仕事の全面協力を申し出ましたが
『私は隣に同業が出店した
から引退するという訳では無い』
その老職人は
私の協力をキッパリと拒否☆
しかし その直後
『でも本音を言うならば・・・』
と非常に小さな声で呟いた彼は
言葉の代わりとして
自身が着用していたエプロンの
裾を2回程グッと引っ張りました
彼は言葉にこそ しませんでしたが
【後ろ髪引かれる思い】という心境
をエプロンの裾を使い表現したのです
もし それを言葉にしてしまえば
彼は自分自身で不本意な引き際を
認めてしまう事になるのですから・・・
私は同じ世界に生きる職人として又
彼の最後のプライドを尊重する為にも
それ以上 説得する事を諦め
老職人の店を後にしたのでした・・・
当前の結果ですが その老職人の引退後
程なくして その同業者もエリア撤退 :)
そんな現在だから ようやく話せる
エプロンを
通じた職人同士の静かな会話♪
思ひ出ポロリ☆な小雨降る夜の更新♬
おまけ:⤵⤵⤵
大川
STOMP/ストンプ
福岡・天神の靴の修理屋さん