創
リウェルトからの
オールソール交換前に
痛んだウェルトを
取り除いた状態の1足
8ミリピッチで正しく
縫われたウェルト穴を
我々は手作業でグルリと一周
一針一針 丁寧に
ウェルトを縫い直して行きます
ちなみに縫い付ける糸の
締めがユルいと履く際に
靴が
キュッと鳴いたりしますから
その責任は重大:)
故 最も技術と神経を
要するリペア箇所の一つです
ところで ごく稀に
【購入したばかりの靴が鳴く】
という御相談
を受ける事がありますが
その大多数の原因は
内部部品のズレ&接触音
・・・ですがソレ以外に
実はココの縫いの不具合が
原因の一つだったりもします
縫いが緩い場合にはリペアの際
縫い直しで解決出来るのですが
その中に見られる
一部の事例には どうした事か
製靴の段階で意図的に
縫いのピッチを大きく空け生産
例えば8ミリがおよそ倍の15ミリ
その大きな
縫い幅 大股ピッチが仇となり
結果 靴としての耐久基準を
満たせず靴が鳴り出すケース
が あります
これを他の例えに
置き換え解りやすくいうと
【鉄筋の足りない欠陥住宅】
こうなると もう本当に最悪で
なにせ創りの
根本がグダグダなワケですから:)
リペアするにも困難を極めます
その原因として考えられるのは
セール等による価格競争と
それに伴う無理の有る量産体制
ちなみに機械生産はミシンの
設定でピッチを固定出来ますが
いわゆる こだわり九分仕立て系
の手仕事は善くも悪くも さじ加減
つまりグレーゾーンってワケです
こだわりの製法も
【見えない箇所】に拘れない様では
残念な結果しか生みません
しかしながら
これは職人の責任ではなく
節操無く何でも安値で買い叩く
売り手側の
モノに対する愛情や こだわりの低さ
商売に対する考え方の問題です
やはり
上質な手仕事には生産の限界があり
1足毎の工賃で生きる職人には
支えるべき家族&生活があります
安い生産賃金で叩かれれば職人達も
やはり それなりの
モノしか作る気にはなれません
ベテラン職人は手を抜く事に
関しても またベテランなのです:)
例え広告の見出しが
何十%OFFで お得で あろうとも
そこは あくまでも商売
無償の愛な
ボランティアではないのです:)
良い物は今昔変わらず
やはり それなりの値がします
逆の立場で考えてみましょう
こだわりの良いモノを
自身の生活の糧を得れない程お安く
生産依頼してきた販売業者の
身勝手なセールの為 大量に作る
それでもアナタは
職人やってみたいと思います?:)
やる気に溢れ目を輝かせる
若手職人の
育成や日本のモノ創りの未来
それを活かすも殺すも
その辺りの根本的改善が必要
目先の安さで誇るべき大事な国の匠
財産を失うのは余りに悲しい事です・・・
現在 2014年
修業時代の昔から現在も続く
そんな お決まりの話題が
店頭&仲間内で挙がる度に
いろいろと
考えさせられ溜め息ひとつ:)
さてさて明日は定休日♪
皆様 くれぐれも
お間違いのないように♬
おまけのブログ:↙↙↙
大川
STOMP/ストンプ
福岡・天神の靴の修理屋さん