何縫うの?
珍しい一足が作業場に運ばれてきました。。
これまでの僕の修理歴で初めて!
その靴は、よその修理屋さんで「ボトムステッチが縫えない」と、返されたのだそうです。。
詳しく店頭スタッフに尋ねて見ると、
「アウトソールを載せた時の厚みが機械で縫える厚さのキャパを超えているので縫えないらしい。」
との事です。
その靴は何と、オールソールの途中で ソールを剥がされた状態 で運ばれて来たのです!! :-(
見た感じだと、STOMPではそれほど難しくないソール設定なのですが、
他店で「縫えない」
と、キッパリ言われる様な難しい問題があるのかもしれないのではないのか?
一瞬、頭の中で色々なケースが駆け巡りました。。
家庭用のミシンなどでも使った事のある方には分かるかもしれませんが、
手縫いと違い、ミシンのステッチは上糸と下糸の2本の糸を中間で絡み合わせる方法で縫うロックステッチなので
縫う物の厚さが変わると、上下の糸のテンションがかわり 上糸に引っ張られて下糸が “こんにちは” してしまう可能性。。
<ロックステッチの図>
ボトムステッチの糸は強度を高めるためレジンを染み込ませて使います
そのレジンの染み込み具合によっても糸のテンションが変わる事があります。。
糸だけでも気を使うところはありますが、その他にも細々としたチェックがあるのです。
簡単に縫っている様ですが、とても奥が深いのが
家庭用ミシンと違い、ボトムステッチの難しい所です! :-)
【※リッジウェイソール搭載】
他店で縫いきれなかったボトムステッチ、、
難無く奇麗に縫えました♪♪
ソールを剥がした状態で返しちゃう無責任さも然る事ながら、
「これを縫わずに何縫うの?」
※奇麗に縫ったから言える!笑
おまけブログ;Stomp-Alleyway
橋本
STOMP/ストンプ
福岡・天神の靴の修理屋さん